かわいい見た目や、人とも上手にコミュニケーションをとれることから、人気が高まっているチンチラ。
その一方で、犬や猫と比べると飼育方法があまり知られていないのも事実ですよね。
チンチラを飼うのに特別難しいことはないのですが、いくつか気を付けないといけないポイントもあります。
今回は、チンチラ飼育歴2年の私が「チンチラの基本の飼い方」や「お迎えするうえでの注意点」をまとめました。
この記事を読んで、ご自身のライフスタイルにチンチラがうまくなじめるか検討していただけたらなと思います。
チンチラをお迎えしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね^^
チンチラの特徴
まずはチンチラがどんな動物なのか、生態や特徴などをおさらいしてみましょう!
生態
チンチラの原産国はチリで、標高400~1650mの地域に暮らしています。
もともと涼しいところで生活していたので、高温多湿は苦手。
日本の気候は、あまり合っていません(´;ω;`)
また野生のチンチラたちは群れを作り、助け合って生きる習性があります。
同じ土地に暮らす小さな動物とはエサを分け合うなどして、上手に共存していました。
仲間想いで、お世話焼きな一面もあるようですね^^
そのためペットとしてお迎えした場合、飼い主さんと心を通わせられる可能性も高いといえるでしょう。
体長は20~35㎝ほど。
同じげっ歯類の中でも、ハムスターなどと比べると大きめです。
カラーと値段
チンチラのカラーはグレー、シナモン、ホワイト、ブラックエボニー、ベージュなど約15種類あります。
値段は30,000~200,000円と幅広く、どこで買うのかによって差が大きいでしょう。
犬や猫もいる総合ペットショップでは、比較的に安価な一方、カラーバリエーションが少ない傾向があります。
そもそもチンチラの取り扱い自体がない可能性もあるので、事前に電話などで問い合わせておくと安心です。
チンチラ専門店の場合、値段はやや高くなりがちですが珍しいカラーの子が多い傾向があります。
またチンチラの知識が豊富なスタッフさんが多いのも優れた点ですね。
そのほかネットなどの里親募集で購入する方法もありますが、引き取り条件が細かく設定されているケースも多いので事前に確認することをおすすめします。
長生きする
チンチラはご長寿なことで有名。
平均寿命は10歳前後といわれていますが、SNSでは20歳以上の子もよく見かけます。
なんとギネス記録には、29歳という記録も残っているんですよ~Σ(・ω・ノ)ノ!
小動物の中でも長生きするので、それを踏まえてお迎えを検討してくださいね。
住宅でも飼いやすい
チンチラはたまに鳴くことがありますが、鳴き声はかなり小さめです。
においもほとんどないため、住宅でも飼いやすいといえるでしょう。
ただし夜行性の動物なので、夜中になると回し車をガンガン回す子が多いです。
また習性上、壁でもなんでもかじってしまいます(;'∀')
マンション暮らしの方は、このあたりの対策はきちんとしておいたほうが良いかもしれません。
頭が良い
チンチラは手を器用に使います。
手を使える動物は脳の進化も顕著だといわれていて、チンチラもかなりお利口です!
自分の名前はもちろん、日常会話もよく覚えます。
なかには、飼い主の生活スタイルを把握してしまう子もいるほど。
そんな頭の良いチンチラなので、日々のコミュニケーションはとても楽しいものになるでしょう。
参考記事:
運動が大好き
チンチラは丸っこい体型をしていますが、その見た目とは裏腹に運動能力がかなり高いです。
走るのがとても速く、ジャンプするのも大好き。
大人になると1mほどの高さを飛ぶ子もいます。
なので運動不足にならないための回し車は必須アイテムですし、毎日の部屋んぽ(部屋の中を散歩すること)は欠かせません。
ストレスや温度変化に弱い
チンチラは群れで暮らす習性があるため、仲間意識も強いです。
とはいえ、あくまで捕食される側の動物なので、警戒心も強い傾向があります。
また温度変化やストレスにも弱いため、静かで温度管理が徹底されたリラックスできる環境を作ってあげなければいけません。
チンチラ飼育に必要なもの
チンチラをお迎えするときは、ケージなど「最初に必要なもの」を一式そろえなければいけません。
またエサなどの、毎月かかる費用もあります。
この章では、チンチラ飼育に必要なものを「初期費用」と「毎月かかる費用」に分けてご紹介しましょう。
初期費用
最初に揃えたいアイテムは、以下のとおりです。
- ケージ(チンチラの家)
- ステップ
- すのこ・樹脂製マットなど
- 巣箱
- 回し車
- 砂浴び容器
- 浴び砂
- ペットシーツ
- 牧草入れ
- 食器
- 給水ボトル
- かじり木
- キャリー(移動用の入れ物)
初期費用:約20,000~50,000円
この中でも、特に大切なのがケージ選び。
チンチラは大人になると体長30㎝程度になり、立体運動をします。
昼間は寝ていることがほとんどですが、夜中になると活発に動きだすので、高さの
あるケージを用意してあげましょう。
「幅60㎝×奥行50㎝×高さ70㎝以上のもの」を選ぶのがおすすめです。
また先ほどお伝えしたとおり、チンチラにとってリラックスできる環境にケージを置くこともポイントになります。
部屋の中でも、静かで直射日光やエアコンの風が当たらない場所にケージを置きましょう。
参考記事:
毎月かかる費用
一方、毎月かかる費用は以下のとおりです。
- エサ代(牧草、ペレット、おやつ)
- 浴び砂
- ペットシーツ
ランニングコスト:約3,000~8,000円/月
チンチラの食事は、牧草(チモシーなど)、チンチラ用ペレット(補助食)、嗜好品としておやつ(果物など)の3つが基本となります。
あとはペットシーツ(犬やウサギ用でOK)、チンチラ専用の浴び砂も消耗品なので、コンスタントに買う必要があるでしょう。
参考記事:
あると便利なもの
必須ではないけれど、あると便利なのが
- ブラシ
- ヒーター
です。
嫌がらない子なら、たまにブラッシングしてあげると毛がダマになるのを防げます。
参考記事:
ヒーターは、冬場はあったほうが良いアイテムです。
チンチラは涼しいところで暮らしていましたが、それでも極端に寒いのは苦手。
22℃前後がベストといわれ、15℃を下回ると寒さ対策が必要になります。
日本も1~2月は寒さが厳しいので、ヒーターを常備しておくと安心ですね。
チンチラのお世話
チンチラに必要なお世話は、以下のとおりです。
毎日
- 食事(1日1回)
- 飲み水の交換
- ケージの掃除(月1回は丸洗い)
- 砂浴び
- 部屋んぽ
食事については、チンチラ用ペレットを1日1回、体重の3~5%を目安に与えます。
牧草はいつでも食べられるように、常に入れておきましょう。
私はかかりつけの獣医さんに「牧草はジャンジャン入れてね!」といわれたので、それを守っています^^
飲み水(水道水でOK)も、1日1回交換してくださいね。
参考記事:
掃除手順は、まずステップ上のうんちや砂を落とします。
次に下網を拭きます。
すのこや樹脂製マットを敷いている場合は、それらをきれいにしましょう。
最後にトレーを掃除します。
水洗いするか、ペット用のウエットシートで拭きましょう。
汚れたペットシーツを捨て、新しいものと交換すれば完成です。
そして部屋んぽは、チンチラがとても楽しみにしている時間。
疲れているときや忙しい日でも、必ず5分でも良いのでケージから出してあげましょう。
参考記事:
1年ごと
チンチラは長生きしやすい動物ですが、我慢強くて病気を隠す習性もあります。
飼い主から見て特に気になるところがなくても、動物病院での健康診断を年に1度は受けましょう。
参考記事:
チンチラを飼うときの注意点
可愛くてペットとしてもおすすめのチンチラですが、飼うときには以下6点に注意が必要です。
- アレルギー
- 騒音対策・壁紙の保護
- 温度管理
- 長生きする
- ストレスに弱い
- 診れる獣医さんが少ない
1つずつ見ていきましょう。
アレルギー
チンチラの主食はイネ科のチモシーですが、和名だと「オオアワガエリ」といいます。
このオオアワガエリは、スギ花粉のようなアレルギー症状を発症させることがあります。
症状が軽ければ鼻水やくしゃみ程度ですが、重くなってくると全身の皮膚がむけたり、息ができなくなる場合もあるでしょう。
「自分はアレルギーがないから大丈夫」などと考えず、チンチラのお迎え前に検査に行っておくと安心です。
オオアワガエリは一般の検査項目には入っていないこともあるので、必要に応じて病院で検査したい旨を伝えてくださいね。
チモシーにかぎらず、チンチラの毛やうんちにアレルギーを発症することもあります。
またチンチラは砂浴びする動物ですが、その砂が火山灰のように細かいのが特徴。
粒子が相当細かいため、喘息の人にはつらいかもしれません。
そのあたりも含め、事前に心構えをしておくと良いでしょう。
騒音対策・壁紙の保護
先ほどお伝えしたように、チンチラは夜行性で、夜中に回し車で運動します。
一軒家なら大丈夫そうですが、集合住宅だと騒音対策も必要になるでしょう。
静音タイプの回し車を選ぶと、通常のものよりも音が気にならなくなります。
またチンチラの習性上なんでもかじってしまうので、壁紙も保護したほうが安全。
キャットシートなどで対策をしましょう👇
温度管理
チンチラを飼育するうえで、温度管理は最重要事項です。
高温多湿に弱いので、室温17~22℃、湿度40%以下を通年キープしましょう。
基本はエアコンでの調整になると思いますが、必要に応じて暑さ・寒さ対策アイテムを取り入れるのもおすすめです。
いずれにしても電気代は高くなってしまいますので、そこも考慮したうえでお迎えを検討してくださいね。
参考記事:
長生きする
先述したとおり、チンチラはとても長生きします。
適切に飼育できれば、10年以上生きることがほとんどです。
10年、15年ともなると、飼い主さんのライフスタイルが一変することも珍しくないですよね。
結婚して家を出たり、自分自身も年老いたりします。
ですが、一度お迎えしたチンチラは大切な家族の一員です。
長い間チンチラの面倒を見れるか、責任と愛情を持てるか?
しっかりと考えてみましょう。
ストレスに弱い
チンチラは仲間想いではありますが、その一方で警戒心の強い動物でもあります。
環境が変わったり、知らない人が家に来たりすると緊張するチンチラは少なくありません。
またテレビの音などがうるさくても、熟睡できずストレスを溜めてしまうでしょう。
昼間はゆっくり寝れる環境を作ること、過剰に構いすぎないことなどを意識して、チンチラがリラックスできるように努めてくださいね^^
診れる獣医さんが少ない
チンチラを診てくれる動物病院はとても少ないです。
我が家はハムスターも飼っていますが、ハムスターよりも診察してくれる獣医さんが限られてきます。
そのためチンチラを飼う前は、通える範囲に「チンチラを診察できる病院」があるかを調べておくのが無難です。
チンチラは一度病気にかかってしまうと、回復が見込めなかったり、時間がかかります。
飼い主さん自身が安心できるためにも、お迎え前には必ず動物病院を探しておきましょう。
チンチラの飼育方法と注意点まとめ
可愛くてコミュニケーションが上手なチンチラは、ペットとしてもおすすめです。
ただし温度変化やストレスに弱く、長生きしやすいという特徴があるため、覚悟を持ってお迎えすることが大切になります。
- アレルギーについて調べておく
- 騒音やかじり癖に対処する
- 温度管理を徹底する
- 長生きするという覚悟を持つ
- ストレスを与えないように配慮する
- 診れる動物病院を探しておく
という6つの注意点をしっかりと頭に入れて、チンチラをお迎えしましょう。
チンチラ飼育は大変なこともありますが、彼らと暮らす幸せはそれ以上に大きいです。
あなたも愛嬌たっぷりのチンチラと生活してみませんか?^^